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2022年7月12日

私にもできる?介護職に向いている人はどんな人? 介護の現場へ転職を考える人へのヒント

現在転職を考えている人、家庭が落ち着いたのでそろそろ仕事を再開しようと考えてる人。仕事探しにはさまざまな理由があると思います。なかでも未経験の業種への挑戦は誰でも「自分にできるのか」「私に向いているのか」と不安になりますよね。

少子高齢化が進む今、ニーズが高まっているのが介護職です。異業種から介護の道へと転職を考える理由にも「今後もニーズが高い仕事だから」「人から必要とされる仕事がしたい」「自分の両親のために介護の知識を身につけたい」などの声があります。

この記事ではどんな人が介護職に適しているか、介護職で働くにはどんな施設があるのかなどをご紹介します。転職を考えている方、未経験だからと迷われている方はぜひ参考にしてみてください。

 

介護職に向いている人の特徴は? 

介護職は体力勝負なイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。体力はもちろんそうですが、大切なのは人に対する心遣いです。では、具体的にどんな人が介護職に向いているのかをご紹介します。

人とコミュニケーションを取るのが得意

介護の仕事は利用者の介助だけではなく会話をすることも多い仕事です。会話の中で利用者の様子の変化に気づくこともあるため、コミュニケーション能力はとても大切なスキルになります。また、一緒に働く職員にとっても報告や相談は働くうえで重要なので、コミュニケーションが取れることは大切なことです。

◆人への思いやりや気配りができる

介護は人と人が多く接する職場です。なかでも高齢の利用者や介助が必要な利用者には気配りや思いやりがかかせません。利用者によっては時間がかかり自分の思い通りにはいかないこともありますが、焦らず見守るなど相手の立場に寄り添うことも求められます。

 

◆高齢者と接するのが好き

やはり利用者の多くの人は高齢の方です。「思えばおばあちゃん子だった」「おじいちゃんと遊ぶのが好きだった」というきっかけから介護職に就かれた方も多いようです。利用者からの懐かしい話や思い出を楽しめる方はきっとたくさんの利用者からも好まれるでしょう。

 

◆責任感が強い

介護職は医師や看護師ではありませんが命を預かるとても大切な仕事です。時には素早い判断と行動力が必要な場合もあります。ミスをしても言い訳をせずにしっかりと報告し対応する責任感はとても重要です。また、落ち込むことがあっても笑顔で利用者の方に接しなければならない為、メンタルの強さも大切です。

 

◆柔軟な対応ができる人

利用者は規則的な生活をされる方も多く、毎日決まったスケジュールで働く場合もありますが、利用者の体調の変化や職員の急な欠員などで不測な事態に遭遇する場面もあります。そんな時でも柔軟で臨機応変な対応ができる方を職場でも求めているようです。

 

◆明るくて元気

明るく元気な声や笑顔は利用者だけでなく一緒に働く方や周囲も明るい雰囲気にします。その明るい雰囲気は利用者に安心感を与え、声もかけやすくなります。明るく元気な挨拶を利用者も求めているのではないでしょうか。

 

介護職に向いていない人は?

では介護職にあまり向いていない人はどのような人でしょうか。

大切なポイントは、介護をする側が無理をしてしまうと利用者にもつらい思いをさせる場合があるということです。

 

◆潔癖症なところがある人

介護の仕事には利用者の食事介助、入浴介助、排泄介助などをはじめとした介助業務があります。もちろん衛生管理や清潔は求められますが、利用者の体に触れることも多く、そのほかにも汚物の処理をすることもある為、あまりに潔癖を気にしすぎると利用者を傷つけたり不快にさせてしまう可能性がありますし、かといって我慢しすぎて苦痛に感じてしまうと働く側も精神的につらくなりますね。

 

◆自分のペースで働きたい人

介護の仕事は利用者や医師、看護師をはじめ、作業療法士やケアマネジャーなど、介護職員以外の多くの方と連携しています。利用者の体調や治療のスケジュールによっては自分の思い通りに仕事が進められないこともありますので、自分のペースやスケジュールを乱されることに不快を感じる方はあまり向いていないかもしれません。

 

◆体力がない人

入浴を介助したり寝たきりの利用者の体の向きを変えたり、介護の仕事をするうえで体力は必要になります。また、夜勤がある施設では生活のリズムが不規則になりがちなので体調管理はとても重要になりますので、自己管理が苦手な人は常に意識しておいたほうがいいでしょう。

 

◆せっかちな人

介護の仕事は多種にわたります。仕事内容が多いと、片づけられる仕事はすぐに終わらせてしまいたいものです。だからといって利用者を急かしたり勝手に順番を変えてしまうと、怪我をさせてしまったり他の職員と連携が取れず迷惑をかけてしまう可能性がありますし、思い通りに進まないことでイライラしてしまうかもしれません。自分一人で仕事をしているのではないことを理解しながら仕事に取り組むように心掛けたいところです。

 

介護職で働く主な施設

介護施設によっても介護サービスはさまざまです。提供するサービスによって仕事の内容や勤務形態が変わってくるものもあります。ここではどんな介護施設があるのか、主なものをいくつか紹介していきます。

 

◆介護老人福祉施設(特養)

要介護高齢者のための生活施設で介護入居条件が要介護3以上です。入浴、排泄、食事等の介護を主に、日常生活の世話、健康管理及び療養上の世話など、利用者に必要なケアを行います。終身介護に取り組んでいる施設も多いため、メンタルの強さが必要とされるケースもあります。勤務については土日や祝日関係なくシフトが組まれることが多く、夜間の勤務もあるため不規則なシフトでも無理なく働ける方が求められるでしょう。

 

◆介護老人保健施設(老健)

居宅における生活への復帰を目指し、必要な医療、並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設です。利用者のほとんどが長期間入所する場合が多く、利用者との信頼関係を築いていくことが大切になります。特養とおなじく、多くの施設では土日や祝日にもシフトが組まれたり、夜間の勤務もあります。

 

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

痴呆症のある方が共同で生活をする施設です。基本的に利用者は自分でできる家事などの日常生活を自分で行いますので、介護職員は見守りながらサポートをします。利用者と一緒に取り組むことが多いので焦らず根気強く利用者に向き合えることが望まれます。

 

◆訪問介護事業所

訪問介護(ホームヘルパー)は主に利用する方のご自宅へ伺います。基本的には利用者とマンツーマンの対応になり、利用者に合わせたサービスが求められます。生活をする上での介助や援助が主な業務になりますが、家事代行や医療ケアはできないので業務にしっかりと線引きが必要です。時間に制限がある方も働きやすいようにシフトや勤務時間に融通をきかせてくれる事業所も多くなっています。

 

◆デイサービス

デイサービスは1日、もしくは半日滞在のサービス利用になります。施設が利用者のご自宅まで送迎します。多くの利用者は施設で入浴や食事をしますのでその介助を行います。排泄の介助も含まれます。デイサービスでは利用者同士の交流や身体機能の向上を目的としたレクリエーションを行いますので、そのサポートも大切な仕事のひとつです。基本的に朝から夕方までの勤務です。

 

働く前に介護施設の雰囲気が知りたい

介護職員として勤務するには主にどんな施設があるのかはわかったけれど、実際はどんなところなのか初めて介護職へ応募する際にはとても気になるところです。同じ介護職でも事業所が違うと業務内容も変わります。事前に施設を見学して雰囲気を知っておくのもよいでしょう。

事前に連絡すれば介護施設の見学をさせてくれるところが多いですが、突然訪問するのは避けましょう。施設によってはメールでの反応ができないところもあるので、電話での見学予約をおすすめします。利用者の入浴や食事の時間帯など忙しい時間を避けることが望ましいですが、それらの時間以外でも手が離せない場合がありますので、あまり長く鳴らさず、4~5コールを目安に電話を切り、少し時間をおいてかけ直したほうがよいでしょう。

見学に訪問するときはスーツを着用する必要はありませんが、オフィスカジュアルなど、清潔感のある服装を心掛けると訪問先からの印象もよくなります。

 

働きながらスキルアップ

実は無資格でも介護の道に進むことは可能です。実際に資格がなくても介護施設で働いて経験を積むことで、必要なスキルを身につける方はいらっしゃいます。しかし資格を所有していないと行える業務が限られてしまうのも事実。仕事の経験を積んでいくと利用者との関係も深まります。もっと利用者のためになりたいと思っても、資格をもっていないと体に触れるような身体介護は行えませんので、歯がゆさやもどかしさを感じる方もいらっしゃるようです。

ここでは介護の仕事をするうえで取得しておきたい資格を3つピックアップして紹介します。もちろんキャリアアップした先には実務年数が必要な資格や国家資格もありますが、まずは目指せる資格に挑戦していくことをお勧めします。

 

◆介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は国家資格ではなく、実務経験がなくても受けることができますので介護のスキルや知識を学ぶ方への入門ともいえる資格でしょう。初めて介護の世界に触れる方にとってもおすすめで、この研修では基礎知識が学べます。座学の他に実技も必須科目であるため、通信講座のみでは資格は取れませんので初任者研修を実施している学校へのスクーリングが必要になります。カリキュラムを修了すると筆記試験を受け、合格をするとまた、今後実務者研修を目指す方は共通科目が免除になる利点もあるのでぜひ取っておきたい資格ですね。

 

◆介護職員実務者研修

実務者研修も初任者研修と同じく国家資格ではありません。初任者研修を受けずに実務者研修から挑戦する方もいますが、実務者研修はより深い知識や技術を学ぶため初任者研修よりカリキュラムも多いです。初任者研修では修了後に筆記試験を受けますが、実務者研修には修了試験がないのも違いのひとつです。そして実務者研修の資格があれば「サービス提供責任者として働くことができるので仕事の幅も広がります。また、介護福祉士を目指すためにはこの実務者研修の修了が必須となりますので、こちらも取得することをおすすめします。

 

◆介護福祉士

介護福祉士は介護職員が取得できる唯一の国家資格です。医師の指示のもと、主に喀痰吸引など限られた医療的な業務を行なえるようになります。介護する人への指導なども行います。受験資格に3年以上の実務経験や540日以上の実務日数などがありますが実務者研修など資格所有により免除される科目があります。また、介護福祉士は国家資格なので簡単に取得できるものではありませんが、多くの介護施設では資格に対する手当でその頑張りを評価しています。介護福祉士取得はケアマネジャーの受験資格にもなりますので、経験を重ねるなかでケアマネジャーを目指したい方はぜひ挑戦してください。

 

働きながら資格取得を目指すことはとても大変なことではありますが、より深い介護知識や技術を学ぶだけではなく、資格によって役職や給料のアップにも繋がりますし、再び介護施設へ転職する際には自分をアピールできる大きな武器にもなります。資格所有が次のステップの受験資格になる場合が多いため、介護初任者研修からひとつずつスキルアップするのがよいでしょう。

 

介護の職場は過去の様々な経験が生きるから大丈夫!

未経験での転職は一歩を踏み出すには不安や迷いもありますが、新しい道へ進むとき、あなたが今まで経験してきたことは無駄ではありません。現在介護職で働いている人のなかには未経験だった方も多く、今みなさんが感じている不安を経験された人もいらっしゃいます。利用者もいろんな経験を積んで来ている方がいますから、あなたの前職での経験や趣味や興味が、会話の糸口になってコミュニケーションに役に立つかもしれません。介護の世界は初めてでも、どんな経験も得意分野も強い武器になります。また、「やってみたいけど子どもが小さいから夜勤ができない」とあきらめていた方も、介護職といっても職場によって利用者が受ける介護サービスの違いや、日勤だけの事業所があったりと介護サービスによって働き方も違いますので、自分にあった介護施設を探すのが一番のポイントです。