コラムイメージ
2022年7月15日

保育学生の就職活動はいつから始めるのがベスト?

日々の授業や教育実習での経験を重ねると、将来自分が目指す世界が見え、自分がどんな園で働きたいかイメージを膨らませることができます。1年次の頃から将来に向けて考えている学生向けに、就職活動をサポートしている学校は多くありますが、将来についての漠然としたイメージのなかで、初めての就職活動へのスケジュールはどう組めばよいでしょうか。

この記事では保育士を目指す方へ、将来を左右する就職活動をスムーズに進めるために知っておきたいポイントをお伝えします。

まずは情報収集

多くの場合が保育士(地方公務員)として働く公立保育園と運営法人や民間の企業からの雇用となる私立保育園では給料や福利厚生などのそれぞれに特徴の違いもありますが、公務員試験有無や募集時期も違います。また最近では、公設民営化の動きから公立の保育園が民間委託に移行されているケースもあるので、自分が希望する保育施設が公立なのか私立もしっかりと情報収集して、無理のないスケジュールで動くことが大切になります。

公立保育園

公立保育園は自治体が行なう保育士採用試験を合格しなければいけません。試験に合格し採用されると、パートや非常勤職員以外では保育士(地方公務員)として働く場合がほとんどです。保育士採用試験は例年6月~9月に募集や選考が行なわれます。各自治体によって規定が違ったり、状況によっては募集がない年も見られます。

◆私立保育園

私立保育園は運営する法人や企業によって採用基準や要項はさまざまです。募集時期も異なりますのでタイミングを逃さないように注意しましょう。公立保育園のような明確な規定がない分、私立保育園では就職を希望する園に積極的にアプローチ出来るのは強みでもあります。近年では園ごとにさまざまな取り組みに力をいれていたり、その園ならではの特色がハッキリ見えますので、見学する施設を一つだけに絞らずにいくつか比べてみるのもいいでしょう。

施設見学は必要?

就職活動において、施設見学はかならずしも必要というわけではありません。ですが少なからず、志望候補として園見学を行なうメリットはあります。近年では園ごとにさまざまな取り組みに力をいれていたり、その園ならではの特色がハッキリとしているところもあります。自分がやりたい保育と就職した園の教育理念がかけ離れていると、悩みの種が増えて気づかないうちに心にも負担が増えてしまうかもしれません。事前に施設見学をすると、園の取り組みや子どもと向き合う姿勢も見えるので自分との相性も気づきやすいです。

また、状況によりオンラインでの見学に対応している園もあるようですので「就職を機に上京を考えていたけど見学に行くのが難しい」と悩んでいた方も積極的にアタックしてみましょう。気になる園があればぜひ見学に向けて動いてみてください。不安な方は、見学したい園があることを学校のキャリア支援や就職サポートを担当する窓口へ相談してみるのもいいですね。

就活スケジュール

実習中は課題も多く、緊張や疲れで就職活動まで体力が追いつかなくなることも。授業や実習、課題に取り組みながら採用試験、保育士試験の勉強などやるべきことが重なると、いつ就活の準備に取り掛かればいいのかわからなくなる方も意外と多いので、求人募集が始まる前に準備できることから早めに取り掛かっておくのも就活の成功ポイントです。

 

◆自己分析(就活の1年前から準備!)

就職を希望する園に『わたし』という人間を知ってもらう為に大切な作業です。アピールポイントや強みなどを文字化する練習を始めましょう。自己分析をまとめるのが得意な人も不得意な人も、自分を知ってもらうために早い段階から取り掛かりましょう。

 

◆情報収集・説明会参加・施設見学など(1月~4月)

まだ志望する園が決まっていなくても、どんな園があるのか、自分の考えと近い教育理念をもった園はどこなのか候補を探すためにも情報収集は大切です。身近なものでは学校のキャリア支援や就職サポートで閲覧できるパンフレット、その他にも就職フェアや合同説明会、求人サイトなど他県や遠隔地でもさまざまな情報が得られます。私立保育園のなかにはオープンキャンパスのように体験型の説明会を開催する施設もあったりと施設側も工夫をこらしています。

 

エントリー・履歴書作成(5月~6月)

応募したい園が決まったら応募先の求人募集時期を確認してエントリーしましょう。締め切り間際にあせって書類を作成するとエントリーシートや履歴書などの必要書類に記載漏れや不備、送付ミスなどが起こりやすくなります。また、応募期間を守らないでエントリーすると、相手からは「ルーズな人だ」というあまり良くない印象がついてしまう可能性もあります。あせらないためにも余裕をもってエントリーできるようにしましょう。

 

◆面接・採用試験(6月~8月)

書類選考を通過したら、いよいよ本番です。面接や筆記、実技など採用試験を受けます。どのような採用試験を行なうかは、公立や私立など雇用先によって異なりますのでしっかり準備しておきましょう。面接では「どうしてこの園を選んだのか」「あなたの長所と短所を教えてください」など対策しやすい質問のほかに各園によって、独自の質問をされるかもしれません。どんな質問をされても慌てないように、事前に情報収取や説明会、施設見学などで、これから面接を受ける園の特色を調べておきましょう。

 

◆内定(9月~)

選考に合格したら採用内定となります。選考の時期や雇用先によっても違いますが、早ければ9月から、おおむね2月までに内定通知が出ます。また、複数の園の面接や採用試験を受けた場合、結果によっては内定辞退の選択をしなければいけませんので、しっかり考えて返事をしましょう。

内定を受ける場合は『採用されて終わり』にせずに、お礼状で感謝の気持ちを伝えるのが望ましいです。新人研修や事前に説明会を開く園もありますので就職後に向けて進んでくださいね。お断りする場合もマナーとして丁寧な対応を心がけましょう。

内定が決まっても保育士試験に合格して保育士資格を取らなければ、正社員雇用で採用予定だった場合、内定取り消しなど就職ができなくなってしまう場合があります。

就職活動だけでなく、保育士試験や実習と課題など、必要なものにしっかりと取り組み、未来の保育士を目指してくださいね。