好感がもたれる保育士の身だしなみ
保育士としての身だしなみについて、一言で「清潔感」といっても、どこまでが一般的なのか悩む方もいるのではないでしょうか。「これくらいならいいかな?」と自分で判断すると、同僚や保護者からの印象が悪くなってしまうかもしれません。みんなに好印象を与える保育士の身だしなみにはどんなポイントがあるのかチェックしてみましょう。
何に気をつければいいの?
一般的に「身だしなみ」とは、相手に対して不快感を与えない服装や立ち居振る舞いを指します。受験や就職活動の際に先生に、身だしなみについて指導された経験がある人もいるのではないでしょうか。身だしなみに気をつけるのは、保育士だけでなく、多くの人と接する職業全般に当てはまることです。特に保育士は、身だしなみに気をつけると共に、身につけるすべての装飾に、子どもへの安全面や衛生面に配慮が必要です。また、保育士は園児と一緒にたくさん体を動かすため、機能面も考慮しなくてはいけません。勤務する園によって、それぞれの細かなルールが決められています。許容範囲は園によって違いますが、共通して気をつけることは、いつも衛生的に清潔感を保つことを意識することです。
どんなものを選べばいい?
保育士は職業柄、仕事中に衣服が汚れてしまうことが多いです。毎日汗もいっぱいかきますし、子どもたちへの食事介助や遊び、活動中に汚れてしまうこともあるでしょう。服の素材によっては、何度も洗濯を繰り返すと生地がヨレたり色褪せたりしやすくなりますし、首元もたるみやすくなります。くたびれたTシャツは、一見すると保護者目線からはだらしなく見えてしまうかもしれません。園によっては制服としてオリジナルのTシャツなどを至急される場合ありますが、自分で準備する方は、普段使っている衣服の状態もときどきチェックしてみてください。
◆服装
園からの指定がなく自分で購入する場合、好きなキャラクターのものや、好みのものを着ることができるので、ちょっとした喜びがありますよね。ただ、いくら自分の好きなキャラクターであっても、ホラー系など、怖いイメージが強すぎるものは避けた方がいいかもしれません。また、思想やメッセージ性の強いものも、保護者からは敬遠されることがありますので、安心感を与えられるカラーやキャラクターを選んだ方が失敗は少ないでしょう。また、プライベートではオーバーサイズが好みであっても、仕事中に着用するジャージやTシャツ等はオーバーサイズは避けたほうが良いです。ある程度体形にフィットしていなければ、遊具などに服が引っかかってしまったり、ひどい場合は転倒やケガの可能性も考えられます。さらに、ダボダボした様子がだらしなく見えてしまう保護者もいるので気をつけましょう。また、ハイブランド過ぎるものは、汚れることを気にして行動が制限されたり、園児とのあそびや活動がしづらいかもしれません。毎日繰り返し洗濯をする仕事着は生地が丈夫なものを選んだり、洗い替え用に何枚も準備できたり、汚れても気に病まないものを選ぶのが良いでしょう。
◆アクセサリー
結婚指輪以外のアクセサリーは園児のケガにつながったり、小さいものは外れてしまうと誤飲をしてしまう可能性があります。もちろん、十分に気をつけていても、事故は予期せぬ時に起こるものです。そして保育士は意外と動きが激しい職業でもあります。紛失してしまうことも考えると、装飾品は仕事中は取り外していた方がいいでしょう。長すぎる爪やネイルアートも、園児の肌を傷つける恐れがあります。保護者の目からも短く切りそろえている方が清潔感もあり、衛生面においても安心です。アクセサリーは退勤後や休日などプライベートな時間に楽しみましょう。
◆香水
匂いに敏感な子どもも多く、自分では気に入っている匂いも、他の人には不快に感じることがあります。多くの園児が長い時間を過ごす園では、活動のなかでさまざまな匂いが混ざります。特に保育士は汗も多くかきますから、出勤前につけた香水がどのように汗と反応するかは慎重に考えたほうがいいでしょう。人工的な香水の匂いが不快と感じる人もいるので、園から禁じられていなくても、勤務中の香水は控える方がいいです。
◆髪型
園によっては髪型の指定やカラー禁止などありますが、近年では自己の自主性を尊重して、カラーリングは許可をしているという園も増えてきました。そのような場合も、ある程度の自由のなか、自分の判断であまり奇抜な色にならないようにするなどの工夫をしているようです。また、子どもたちに先生の表情が伝わりやすくするために、前髪は顔が隠れないようにしましょう。結んだ方が動きやすいため、髪ゴムなどでまとめられる長さを保っている方もいるようです。結んだ時の傷んだ毛先が肌に触れると刺さるように痛く感じることもありますので、時々毛先をチェックしてみるのもいいでしょう。髪飾りやヘアピンも自分からは見えないことが多く、ゆるんだ際に子どもがケガをしてしまう可能性がありますので、トイレなどで鏡を見たら安全面はクリアしているかチェックしましょう。
◆マスク
感染症予防の対策として、マスクを着用することが多くなりました。子どもが保育士の表情や口のうごきを読み取りやすいよう透明マスクを取り入れる園や、屋外活動では熱中症予防の為にマスクを取るなど、各園でもさまざまな取組みをしています。個別でもカラーマスクを着用したり、マスク用のシールを貼るなどかわいく工夫をしたいところですが、ここにも注意点があります。シールは汗や呼吸で発生する水分や、子どもが触って取れてしまう可能性があります。マスクの表面は清潔ではないので、子どもが興味を持って触ってしまうようなものは衛生面も考えてやめた方がよいでしょう。
仕事とプライベートを上手に分けよう
保育士は、子どもにとって安全であるか、衛生的であるかを基準にした身だしなみがとても重要ですね。子どもと一緒に活動することを考慮して、機能的であることをプラスすると、保護者からも印象が良いようです。子どものために考えられる保育士はとても素敵ですね。我慢すると考えるとネガティブな気分になってしまいますが、その分、好みの装飾を身につけることによってプライベートと区別できるので、上手く気分を切り替えられるアイテムとして活用してくださいね。