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2022年10月4日

保育士実習で抱える不安をスッキリ解消!

保育士養成学校で保育を学ぶ学生にとって、実習は避けて通れない道です。「初めての実習で不安」「どんなことをするのか分からない」そんな心配事を解消するために、今回は保育士実習について徹底解説します!

今回は、社会福祉法人コビーソシオの採用担当、栗本さんとコビープリスクールみなみおおいずみ園長佐々さんか保育士実習についてのお話を伺いました。「そもそも保育士実習ってなんのためにするの?」というところから実際の実習生の様子までご紹介します。

保育士実習ってなに?

保育士実習とは、保育士資格取得のために保育士養成学校などで必要なカリキュラムの1つです。

実習は複数回に分けて行いますが、例えば厚生労働省が定める必修カリキュラムの保育実習I」では実習を通して身につけるべき目標として5つのポイントを挙げています。

1.保育所、児童福祉施設等の役割や機能を具体的に理解する。

 2.観察や子どもとのかかわりを通して子どもへの理解を深める。

 3.既習の教科の内容を踏まえ、子どもの保育及び保護者への支援について総合的に学ぶ。

 4.保育の計画、観察、記録及び自己評価等について具体的に理解する。

 5.保育士の業務内容や職業倫理について具体的に学ぶ。

(引用元:厚生労働省「指定保育士養成施設の指定及び運営の基準について」)https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000108972.pdf

これまで学校で学んだことを生かして実際に子どもと触れ合ったり、保育士の仕事を体験してみることで、保育士としてのスキルを身につけることができる貴重な経験になるでしょう。

保育士実習の内容

保育士実習には、4つの種類があります。それぞれの内容を詳しく紹介します。

・観察実習

園児を観察する実習です。園児それぞれの言動や、お友だち同士との関わり方を観察し、記録していく必要があります。園児によって異なる発達段階を詳しく観察して、保育士としてどのように対応するべきかを考え、学び取りましょう。

・参加実習

担任保育士のサポート役として保育活動を行います。園児についてや、保育活動について現場の保育士の意見を求めながら動いていくことで、実際の保育士としての振る舞い方を身につけていきましょう。不明点や困ったことは必ず保育士に相談して、自分勝手な言動はしないように心がけましょう。

・部分実習

限られた時間の中で保育活動を行う実習です。基本的には「遊びの時間」を任されることが多いでしょう。保育士として、課題を立てて保育活動を実践できるので、反省点を次回の活動に生かすことを繰り返しましょう。

・完全実習

これまでの保育活動の中から身につけた知識と経験を生かして、1日を通して保育を実践します。実習生が自分なりの保育目標を定め、事前に指導案を作成します。園児の登園から降園までの1日間を任せられるので保育実習の集大成ともいえます。

実習の流れ

基本的には、現場の保育士と同じように8時間+休憩1時間の実習を行うことが多いようです。

朝は園児の登園後から、朝の活動や朝の会に参加したり、排泄の時間、お昼寝やお昼ご飯の時間、主活動の時間などを園児と一緒に過ごします。

帰りの会の後は、実習の記録を書いたり、清掃・教材の準備なども行います。

現場の保育士がどのように動いているかをよく観察し、詳細な記録を残しておくことで、自分が保育士として働く時のイメージも湧きやすくなるでしょう。

佐々園長によると、午睡の時間に日誌を書く時間が確保できたり、担当保育士と実習についての質問などをすることもできるそうです。忙しい実習中ですが、こうしたスキマ時間を活用して、より良い実習ができると良いですね。

実習に行く前の心がけ

初めて実習に行く前はドキドキしますよね。でも、気をつけるべきポイントを押さえていれば大丈夫!

・保育士としての振る舞い方をよく考えておこう

学生とはいえ、園児たちからすると実習生は現場の保育士と同じ「保育園の先生」に見えています。責任も重大です。

自分の言動は園児たちに常に見られていることを忘れずにいましょう。もしわからないことや不安なことが起きたら、すぐに担任保育士や現場の保育士に聞いてみましょう。自分のなりたい保育士の姿をイメージしておくと良いですね。

・実習中は忙しいことを覚悟しておく

慣れない環境で朝から夕方まで、実習をこなす期間は想像以上にハードです。

忙しさのあまり、提出物の期限を忘れたり、持ち物を忘れてしまうこともありますので、事前に準備できることは実習前に確認しておくと良いですね。

実習前には体調管理も欠かせません。睡眠時間をしっかり確保し、規則正しい生活リズムを整えておくことで元気に実習を乗り越えましょう。

実習日誌の書き方が知りたい!

初めての実習日誌って「どんなことを書けばいいの?」と少し心配になりますよね。今回は、実習日誌で書くべきポイントをまとめたので実習時に日誌を書くときの参考にしてみてくださいね。

・1日の目標を決める

自分なりにその日1日の保育目標を立てましょう。最初のうちは「1日の流れを知る」など、保育活動の中で注目したい点を決めておくと良いですね。

・園児の様子を記録する

子どもの言動を記録しておきましょう。実習中は、小さいメモ帳を用意し、さっと取り出して短くメモしておくだけでも後から思い出して実習記録を書きやすくなりますよ。

・保育の流れを記録する

時間ごとにどんな活動をしたかを記録します。現場の保育士が行った保育活動を具体的に残しておくことで、完全実習として1日を任せてもらえる日の参考にもなります。

注意しておきたいのが、毎日同じ時間に何をしているかを覚えておくことです。園児たちは、保育園生活の中ですでに同じリズムを理解しています。いつもと違うことを突然行うと、変化に驚いてしまう園児もいます。なるべく、園児たちの負担にならないようにいつものペースを保った保育活動を行いたいですね。

・全体を見がちになるが細かい点にも注目しよう

ついつい、忙しいと全体を見がちになりますが、子どもたちの言動やお友だち同志の関わりかた、保育士の声かけなど細かい部分に注目してみると、より深い実習の成果になって現れます。

実習中の園児との関わり方

実習中、園児たちと関わる上で気をつけておいた方が良いことはこんなところ!

・言葉づかいに気をつける

対象年齢にもよりますが、子どもは近くにいる大人の様子を見ています。うっかり乱暴な言葉づかいをしてしまうと、すぐにマネしてしまうことも。お友だち同士のトラブルにもつながりかねないので、気をつけておくポイントですね。

例えば、何かをしてもらうときはゆっくり・はっきりとした口調で「〜しましょう」「〜してみようね」「〜してみたらどうかな」など語尾に工夫して子どもが耳を傾けてくれる話し方にしてみると良いでしょう。

・身だしなみに気をつける

学生生活のうちは自分の好きなおしゃれを楽しみたいですよね。ですが、実習中は普段の自分とは違う「保育士」としての自覚を持つことが大切です。

長い髪は1つに束ねる、メイクはノーメイクか、ごく薄いメイクにする、汚れても良い動きやすい服を選ぶなど、保育活動にふさわしい身だしなみにしましょう。

アクセサリーは、うっかり落として子どもの口に入ったり紛失して思わぬ事故につながりかねませんので必ず外しておくようにしましょう。事前にどのような身だしなみが良いかを実習先の園から指定されることもあるので、基本的には実習先の指示に従うと良いですね。

・笑顔を忘れない

緊張すると、ついつい顔がこわばってしまうものですよね。ですが、園児たちは身近にいる大人の様子をよく観察しているものです。初めて見る先生が怖い顔をしていると、近寄り難いもの。最大限の笑顔を忘れず、園児たちの心をつかみましょう。

ただし、叱らないといけないシーンでは、しっかりと怒った顔を作って子どもにアピールをしましょう。メリハリのある表情を自在に操れるように練習しておくと良いですね。

コビーソシオで実際にあった実習生のエピソード

佐々園長は、印象に残った保育実習生のエピソードを教えてくれました。

とある実習生は、「魚つりがしたい!」というアイディアを出し、部分実習の時間を使って子どもたちみんなで魚を作り、責任実習の時に手作りの魚を使って魚つりをして、子どもたちにも好評だったそうです。自分でアイディアを出して実際に保育実習に活かした点で記憶に残っているそうです。

実習中は積極的に自分のしてみたい保育活動のアイディアを担当の保育士さんに相談してみて事前に保育活動の構想を練ったり、使用する物の準備をしていくと良いですね。そして、さらにこの実習生は実習後にコビーソシオで採用され、今も保育士としてコビーソシオで働いているのだそうです。

実習生の積極的に保育に携わろうという姿勢は、実習先の保育園側もしっかり見てくれています。単なる義務での実習とは考えず、自分なりに精一杯の力を出して保育実習を乗り切りましょう。

保育士の魅力はこんなところ!

保育士の魅力について、佐々園長は、「子どもの反応と成長を感じられるところ」にあると教えてくれました。一番は、保護者が子どもの成長に喜びを感じるところであると前置きした上で、「保育士として子どもの成長過程に参加できているところは魅力に感じます」といいます。園児の卒園後も、自分が関わった子どもに会うことがあると懐かしさを感じるそうです。一人一人の子どもと精一杯向き合い、大切に思うからこそ感じられる保育士としての愛情が満ち溢れていますね。

 

【取材協力】

保育士実習で抱える不安をスッキリ解消!

コビーソシオ

■栗本大輔(人材開発部・就活支援マネージャー)
■佐々詩織(2009年入社・コビープリスクールみなみおおいずみ園長)