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神奈川県横浜市にある「能見台パートリア」は、医療法人社団孝和会が運営する介護老人保健施設。長期入所・ショートステイ・デイケア・居宅介護支援を提供する施設として、地域に根付いた高齢者ケアを提供しています。自立支援の信念に基づき、利用者にとっての尊厳のある人生を支えるために、思いやりと気配りを大切にしたケアを目指す施設です。利用者が快適に過ごせる環境作りには、職員の働きやすさや業務効率化が欠かせません。職員にとってのやりがいもしっかりと考えられた制度も整っています。

 

「地域のかかりつけ老健」として
在宅復帰を目指す利用者を長期的にサポート

 

神奈川県のベッドタウンとして知られる横浜市能見台は緑が多く、高台からは東京湾が望める自然豊かな街です。京急本線 能見台駅から徒歩8分。駅出口からにぎやかな商店街を抜け、大規模マンションや商業施設が立ち並ぶ広々とした通りを進むと見えてくる建物が、介護老人保健施設 能見台パートリアです。桜がきれいな堀口西公園に隣接し、野生のリスに出会うこともあるそうです。

エントランスを抜け、広々としたロビーに入ると「おはようございます！」と職員の方々から明るく声を掛けられ、緊張感も和らぎます。能見台パートリアは、自立支援の信念のもとに多職種が利用者の在宅復帰や在宅生活を支援する老健施設。5フロアある建物内には、心身状態により分けられた3フロアに入所150床、眺めの良い5階のフロアに通所リハビリ（以下、デイケア）があります。短期・長期入所を退所した後は、デイケアや訪問リハビリなどの在宅サービスを居宅ケアマネジャーが中心に計画することで在宅生活を長期的に支援しています。

能見台パートリアでは、入所相談の際に利用者の心身状況や本人、家族のニーズはもちろん、在宅復帰に向けての不安や期待なども伺い、課題や目標を本人家族と共有します。すべての入所フロアには、ケアマネジャー兼介護職として職員を配置しているので、日々のケアの状況を把握することができ、一人ひとりにあったケアプランの設定と見直しができることが特徴です。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の3職種がそろい、個別リハビリを行っています。また、管理栄養士や歯科衛生士を配置し、食事を楽しむことや口腔ケアにも力を入れているとのことでした。

 

スタッフの特徴としては、介護職は介護福祉士の資格取得者が多い(2022年4月現在80％以上)と感じました。資格取得支援制度やシフト調整、試験対策の実施などが成果を上げているようです。

 

悩んだときにすぐ相談できる環境と
頑張りを認めてもらえる評価制度

「パートリアを就職先に決めたのは、職場見学で訪れたときに職員の皆さんがすごく元気に、そして丁寧に利用者の方たちに接しているのを見て、『ここで働きたい』と思ったからです。」
少しはにかみながら、そう話すのは現在介護職5年目となる前田彩里さん。高校卒業後、介護系の専門学校で学び、能見台パートリアの職員になりました。「入職後は初めてのことも多く、分からないことばかりでしたが上司や先輩がとても丁寧にサポートしてくれました。年齢や介護歴に関係なく、一人ひとりの意見を聞いてもらえますし、頑張っていることはしっかりと評価してくれるところもやりがいに繋がっています。」
評価制度について、キャリア段位制度のアセッサー(評価者)認定を受けた介護主任を務める桜井厚子さんにもお話を伺いました。
「入職してくる介護職員たちのバックボーンはそれぞれ異なります。専門学校で勉強して資格を取得した方もいれば、一般職から介護職を目指しヘルパーの資格をとる方も増えているので、当然スキルにも個人差があります。しかし、ケアが統一されていないと利用者が快適に過ごすことが出来ません。そこで、アセッサー研修を受けた職員を中心に定期的に評価し、個々のレベルに合わせた指導を行っています。また、キャリアパス制度を導入しモチベーション維持につなげています。」

施設にいる間に感じたのは、利用者と職員間だけでなく職員同士の雰囲気の良さ。前田さんと桜井さんは上司部下の関係ですが、まるで母娘のような温かい関係性でつながっているようでした。

 

評価制度が整っていることで信頼感が強まり、それぞれが自分の目標に向かって頑張れるのでしょう。また、職員同士のコミュニケーションを大切にすることで良い関係性が生まれ、利用者にとっての快適な環境作りにもつながっているように感じました。

現在、施設では介護システムの活用とＩＣＴを活用した介護記録の電子化やセンサー付きベッドによる睡眠情報の見える化、コミュニケーションや情報共有ツールとしてのLINEWORKSの運用に力をいれているそうです。
業務のICT化について、看護介護部長の谷田部里美さんに伺いました。
「当施設ではICTを活用した記録の電子化に取り組んでいます。タブレットやPCによる生活記録の入力やケアプランの作成など、多職種間の速やかな情報共有を行うことで、ケアの統一や業務の効率化に繋げています。また、情報共有やコミュニケーションツールとしてLINEWORKSを活用しています。いつも使っているLINEと同じように使えるので便利ですよ。新型コロナの情報共有や災害時のBCP連絡網としての活用も考えています。」
タブレットやスマホで情報共有やコミュニケーションを可能にすることで、大幅な業務改善を実現。このような最新のシステムを柔軟に導入する姿勢からも、職員の働きやすさが考えられていることが分かります。

利用者と職員の生き生きとした姿を目指して…
自分の仕事に誇りが持てる職場に

前田さんにこの5年間で大変だったことを聞いてみると、こんな答えが返ってきました。「パートリアでは1年目から担当を持たせていただけるのですが、その頃はまだ20歳で社会人としての経験も浅く、利用者の方だけでなくご家族とのコミュニケーションに難しさを感じました。でも、ちょっとした悩みやつまづきを抱えたらすぐに相談できる環境が整っていたので、乗り越えることができました。」業務内で困ったときは、対話する時間を設け適切なアドバイスがもらえる関係性が築き上げられているのですね。

一人の利用者に対し多職種でかかわっていくケアスタイルをとっている能見台パートリア。頻繁にカンファレンスが開かれ、若手もしっかりと意見できる場が作られているそうです。利用者の生活ニーズに対し、職員一人ひとりが当事者としてより良いケアを考えられる環境は、やりがいや達成感を感じられる機会も多いはず。「職員が各自の仕事に誇りを持って、地域に貢献する」という施設の理念にもつながります。
最後に、今回お話を伺った3名にこれから介護職を目指す学生に向けてのメッセージをいただきました。

「専門学校での授業や実習では大変な思いをすることもあると思います。でも、仕事をしてみて感じるのは、そこでの努力が身になり役立っているということです。また、職種や年齢の垣根を越えての交流は社会勉強にもなります。諦めずに頑張り続けてほしいです。」と前田さん。

「毎年、本当に素敵な方たちが入社してくれます。それぞれがいいものを持っているから、いつも『ひとつ看板を背負いなさい』って伝えるんです。ひとつ自信を持つと、生き生きとした表情になって現場でも輝いてどんどん成長していく。職員たちのいいところを見つけるのが私の仕事でもあるので、どんどん自信を持っていってほしいです。

そして、どんな仕事でもそうですが、自分らしく仕事ができることが一番大切だと思います。介護職は利用者さんから教わることも多いです。長年生きてきた利用者さんの人生のラストスパートに寄り添えるのが、介護の仕事。ぜひ頑張ってほしいです。」と桜井さん。

 

「パートリアでは、幅広い年齢層の職員たちが、それぞれのライフスタイルや将来のビジョンに合わせて働いています。日々利用者さんとの関わりのなかで、職員たちの生き生きとやりがいを感じながら働く姿を見ると、私もうれしくなります。介護の現場で求める人財は、ありきたりですが善良な人柄を持っていることに尽きます。その気持ちを大切にしていれば、努力が実りますよ。」と谷田部さん。

 

“patria(パートリア)”とは、ラテン語で“故郷”という意味。
いつ来てもあたたかく迎えてくれる、そんな和やかな雰囲気が施設内の至る所で広がっていました。
利用者の笑顔と職員の笑顔が広がる、能見台パートリア。
自然豊かな環境に癒されながら、やりがいを感じてみませんか？

 

※撮影時はマスクを外していただきました。

・谷田部里美さん（看護介護部長）
・桜井厚子さん（介護主任）
・前田彩里さん（介護士）